あるハプロDの奮闘記

――失敗の研究者のアハ体験

DMR事務局の西村です。

ある日、私に舞い降りた、ちょっと特別な試練のお話。

聞いてください。

中華料理はいけるかい?


みなさんは中華料理、お好きですか?

高校から選択授業で中国語を学び、
大学で中国語を専攻。
ゼミは中国哲学。

すれ違う中国人の団体さんから聞こえてくる中国語のシャワーを浴びると心がほっと落ち着くんです。


まるで森林浴みたいに、動画で中国語を聞き流して疲れを取ったりしています
(マイナスイオン気持ちいぃー)。


身体(DNA)が中国を求めているのか。


そんなわたしは、やっぱり中華料理が大好きです。


とある日、お世話になっている知り合いのお誕生日をみんなでお祝いすることになり、中華レストランへ。


控えめに言って高級。
次々と運ばれてくる料理。
湯気、香り、彩り。

本来ならテンションが上がるはずの状況なのに、私の胃はどうしてか完全に戦闘不能モード。

一口食べて「…」。
二口目「おれ、いけるか…汗」。

目の前にはご馳走がキラキラ輝いているのに、体はそれを受け入れる準備がまったくできていない。

「お祝いの気持ちと共に、美味しい食事と楽しいおしゃべりに花を咲かせる」

そんな本来のディナーの目的は、

周囲に異変を気づかれず
立つ鳥跡を濁さず
無事家に着く

というミッションに置き換わっていました。。。

そう、プラスを出すのではなく、マイナスを出さないというものに。

突如クランクインした
ミッション:インポッシブル 胃腸不良は突然に(邦題)

それはディナーの前日の夕食から始まっていました。

I am a perfect Dマン


その日、夕食を食べながら、
「なんかあまりお腹空いてないなぁ」

そう思いながらも、冷蔵保存しても次の日に食べるタイミングあるか分からないし、食べきっちゃおう。

そんな感じで強引に食べ切りました。


体をあまり動かさなかった日など、こういうこと自体は、時々ある日常の一つ。


そこから2時間、3時間、膨満感が一向に収まらず、寝る前になっても変わらず。
翌朝になっても状況は変わらず。


あ、やばい。
これ、最近、年に一回くらい急に訪れるやつだ。。。


その日の朝昼は何も食べず、経口補水液と整腸薬だけお昼に食す。
夜のディナーまでにはなんとか回復するはず。
そう心から祈りつつ。

そんな願いとは裏腹に、結局夕方になっても一向に食欲が出ず。

というか、昨日の夕食が胃袋から一歩も動かず鎮座している
(お前の居場所はそこじゃない、、、)

そのままディナーの時間を迎えました。
結果は、前菜をいただくのが精一杯。


ハプロDの父とハプロDの母から生まれた、混じりっけなしの「I am a perfect Dマン」のわたしに残された道は、『宴席の雰囲気を壊さない』それだけでした。


そんな想いとは裏腹に、私の顔色はどうやら血の通った人間のそれではなかったよう。

気がつけば、みなさまから心配のお声をかけられていました。。。

食べ物の消化は口に入れる前から始まっている


ハプロDの私は「失敗の研究者」

自分の失敗パターンを振り返り、
「なぜそうなったのか」を考えるのがわりと好き。

いや、考えないと気持ち悪い。

いつか必ずやってくるその時をどうして丸腰で臨めようか
過去の失敗に対して対策が取れているかどうかは置いておいて、「二度と起こさない」というその気概だけはある

喉元過ぎても熱さを覚えておきたい。
お腹の調子が落ち着き出した頃に、どこからともなく聞こえてきた「I will be back」という不吉なささやきを脳内にこだまさせながら、「なんでこうなったのか?」そう、問い続けました。


・運動量に対して食べすぎ?


・胃腸風邪?


・年齢による消化器官の衰え?


・そもそも過敏性腸症候群の傾向があるから?


・遺伝?(毎朝、コケコッコーの代わりに洗面所から聞こえてくる父親のえづき声で目を覚ましていた。なつかしー)

どれも一定の原因としてありそうだと思いつつ、今回のような大爆発に至った決定打としての原因が特定できないと、毎食が黒ひげ危機一発状態。

特に今回のようなイベント前に危機を迎えるのは意地でも避けたい。

モヤモヤを抱きながら、数週間。

ある日、夕食を食べている時にそいつは現れました。


「おぅ、久しぶりやんけ」。


その日食べたお弁当の夕食のおかずの一つ、鶏肉と白菜の煮物(くたくた煮?)。

別に鶏肉が苦手でも、白菜が苦手でもないのに、箸が重い。

そういえばあの日のディナーの前日に無理に食べ切ったのも、同じようなお肉と白菜の煮物だった。

味が苦手な訳ではないけど、同じ轍は踏むまいと、とりあえずその日は半分程度いただいて、残りは冷蔵保存することに。

翌日、仕事で調理している方との雑談の中で、「少し淡白な味付けの料理だと消化が進みにくいこともあるのでオリーブオイルとか入れるといいよ」という、目から鱗の話を聞く。

「ピンと来た!」その直感を信じて、前日残したおかずを試しにちょっと味変させて食べてみようと、みんな大好き「料理研究家リュウジの悪魔の目玉焼きご飯」に大変身させて食べることに!
(お弁当を作っていただいたシェフに、心の中でごめんなさいをしながら)。

完食したとき、一筋の光明と共に降りてきたことば。
「食べ物の消化は口に入れる前から始まっている。」

耳をすませば


同じ食材なのに口にする前から感じるこの差は一体。。。

調べてみると、胃酸の分泌は、脳相、胃相、腸相の 3 つのフェーズ に分けられるという。

おいしそうな食べ物を目の前にすると、視覚、味覚、嗅覚などが刺激され、その刺激が副交感神経に伝わって、反射で胃液が分泌。過去の条件付けによってもかわるこの反応が脳相(セファリックフェーズ)とのこと。

あっさりめの味付けの料理、または苦手なもの

食欲刺激弱い

唾液・胃酸・消化酵素少なめ

消化準備が弱い

逆に、「おいしそう」と思ったものは、

唾液が出る

胃酸が分泌される

消化酵素が準備される

食べる準備モードに


ビュッフェ後半で、「あーもう食えん」と言っていた人が、お皿一杯にスイーツを盛ってテーブルに戻ってきて言うお決まりの言葉「スイーツは別腹」。
これはボケでもなんでもなく、ただの事実だったんだと納得。

苦手な物も然り。

「先祖が椎茸で食あたりしたから」と、椎茸が苦手なことを正当化していた自分の屁理屈はさておき、苦手なものを無理に押し込んでも、準備できていない体が拒絶するのは当然の反応。

とはいうものの、

脳が欲するままの選択は、血糖値爆上げチョイスの乱発になりかねない。

今回の一件で学んだ教訓、体が悲鳴をあげる前の、静かなささやきに耳をすませること

頭では「食べられる」と思っていても、
腸は「ちょっと無理かも」と静かに伝えている。

その声を無視すると、然るべきフィードバックがあとで返ってくる。
なので、固執したくなるルーティーンを一旦崩してでも、臨機応変に対処する。

「迷走神経」と呼ばれるネットワークで直接つながって、相互に強い影響を与え合っているという脳と腸の「脳腸相関」。

これはきっと、人間界のネットワークも同じかも。

自分の気持ちだけでも、
相手の気持ちだけでもなく、
その両方の声に耳を傾けること。


どちらか一方を押し通せば、

どこかで歪みが生まれてしまう。

大切なのは、どちらの声も否定せず、「感じている」内容をまず受け取ること。

自分の内側で起きている対話を丁寧に扱える人は、きっと他者にも、どこか優しくなれる気がする。

そんなことを考えていると、耳に残る「I will be back」の不吉なささやきは、あの日、口にできなかった杏仁豆腐からの甘いささやきに変わっていました。

見えない体の中で起こっていること。
もしかしたら見当違いの分析かもしれないけど、謎を問い続けた先に得たこのアハ体験が、明日へ進む活力になっているのはたしか。

謎解きはディナーのあとで。

注:イラストはセルフイメージです。実物と違いすぎるなどのクレームは受け付けておりません。

@追伸

最近、Xで再び話題になったBKBさんの『電話をしているふり』を読んだせいか、携帯小説のような構成になってしまいました。

筆の向くままに書いた今回のコラムを見返すとハプロD要素満載だなぁとあらためて実感。

ハプロD要素がいくつ潜んでいるか、よかったら数えてみてください笑



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